コットンと綿について


 5月10日は「コットンの日」です。日本国内の紡績業界において、健全な発展を図ることを目的に活動する「日本紡績協会」が制定しました。  日付は、店頭販売の最盛期が5月であることと、「コ(5)ット(10)ン」と読む語呂合わせが由来です。

 靴下はもちろんのこと、シャツやタオル、シーツなど身の回り品によく使われるコットンですが、綿と呼ばれることもあります。「コットンと綿にはどんな違いがあるの?」と疑問を抱く方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、コットンと綿の違いや特徴、メリット・デメリットを詳しく解説します。
一年を通していろいろなアイテムに使用されるコットンと綿の素材について、詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてください。


コットンと綿の違い

コットンは「綿」の英語表現である「COTTON」のカタカナ表記になっているだけで、実はまったく同じものです。

消費者庁の家庭用品品質表示法「繊維製品品質表示規程」によると、綿の繊維を示すときの用語は「綿」「コットン」「COTTON」と、この3つのいずれかで表示することが定められています。どの表記でも正しい表示として認められています。
 

コットンとは?

 コットン(綿)とは、アオイ目アオイ科ワタ属に属する多年草「ワタ」の「種子毛」からとれる繊維や、その繊維から作られる糸や布のことをいいます。



摘み取った状態までのものが、種子を取り除いた後の繊維状態のものが綿ですが、近年では区別せずにどちらも糸へんの「綿」で表記されることが多くなっています。

ワタの種子毛は、白くてふわふわした特徴があり、その見た目が花のように美しいことから「綿花」とも呼ばれています。

「ワタ」の種子より収穫された繊維は、長い繊維と短い繊維に分けられ、長い繊維のみ糸にしていきます。糸にする際、強く撚(よ)るとシャリ感の強いしっかりした生地になりますが、弱く撚ると柔らかい質感になります。糸を編んだり織ったりすることで、私たちが普段身につけている布になるのです。
 

オーガニックコットンって?

 近年注目の素材としてオーガニックコットンのことを耳にしたことがある人も多いのではないでしょうか。一般的には化学肥料を3年以上使用していない農地において有機栽培されたコットンをオーガニックコットンと呼んでいます。

化学肥料を使わないため、農業従事者の健康への負荷が少なく、収穫を手作業で行えば石油資源や機械も消費しないので持続可能性な社会(SDGSs)へシフトして行くのに有効な手段の1つではないかと考えられています。

コットンとオーガニックコットンの製品の間には、科学的に区別可能な違いはありませんが、「オーガニック」と称される製品には次のようなものが混在しており、意味の統一された用語とはなっていませんので注意が必要です。

  • 原綿が有機農法の認証を受けているもの
  • 原綿および製品が有機農法の認証を受けているもの
  • 認証によらず自称しているもの


日常生活の中でコットン(綿)を使用すると具体的にどんなメリットがあるのでしょうか?ここでは、コットン独自の特徴やメリット・デメリットについて解説します。
 

 コットンのメリット 

・冬は暖かく夏は涼しい  

 コットン(綿)は、冬は保温性があって暖かく、夏は通気性や吸水性に優れたサラサラの着心地で、涼しく快適に使用できます。

夏でも涼しく感じるのは、コットン(綿)の中心部分が空洞になっているためです。

空洞になっていることで風の通り道ができ、コットン(綿)が汗を吸収して放出する際に、気化熱が発生して温度を下げることで、涼しく感じられます。 

また、寒い冬の時期では、体温を外に逃がさず空気の層となってとどまることで暖かさを保ってくれるのです。

耐久性が高い

 コットン(綿)は他の天然繊維と比較すると、水に強くて耐久性が高いという特徴があります。強度があり、毎日の洗濯でも生地が傷みにくいため、汗をかいて洗濯する頻度が高い靴下に適した素材です。

さらに、天然繊維の中でも比較的虫に食われにくく、衛生的に長く愛用できるというメリットもあります。

・通気性や吸水性が良い

 コットン(綿)は、先にも紹介したように、中心部分が空洞になっていて風の通り道があるため、通気性がいいという特徴があります。

また、コットン(綿)は吸水性が良く、汗などの水分もすぐに吸い取り、外へ発散してくれるというメリットもあります。

よく汗をかく夏の時期でも蒸れにくく、サラサラした着心地で快適に過ごせるので、下着などのインナー素材によく使用されています。

肌触りが柔らかい

 コットン(綿)素材は、ふんわり柔らかなやさしい肌触りです。コットン繊維自体、繊維端が尖っていないため、紡績後肌に触れてもチクチクしにくいことに由来しています。

肌に直接触れる下着や靴下にはピッタリの素材で、敏感肌の方でも心地よく快適に過ごせます。


静電気が起きづらい

コットン(綿)や麻などの天然素材は吸水性や吸湿性が高く、ポリエステルやナイロン素材と比較すると約3〜17倍の水分率があります。

保湿性が高いことで電流を逃がしやすくなり、静電気が起きづらいという特徴があります。
靴下は素肌に身につけるものですので、静電気による影響を軽減することができます。

 

 コットンのデメリット 


・洗濯すると縮みやすくシワになりやすい

コットン(綿)は吸水性が高く、水やアルカリに強いという特徴がある半面、洗濯すると縮みやすく、シワになりやすいというデメリットがあります。

これは、洗濯するときに吸った水分で膨張してしまった糸が乾燥によって元の状態に戻ろうとすることにより縮んでしまうことが原因です。

洗濯時は脱水後、なるべく早く取り出して縮んでしまった繊維を元の状態になるように形を整えて干すことで、縮みやシワを最小限に抑えられます。

乾きづらい

吸水性が高いコットン(綿)は、吸った水分を蒸発するのに時間がかかり、比較的乾きにくいというデメリットがあります。室内などで自然乾燥する場合は、乾くのに時間がかかり、雑菌やニオイの原因になることもあります。

干すときには生地が重ならないようにし、風通しがよく乾きやすい場所に干すのがおすすめです。干した時に下に水分が溜まりやすくなりますので、靴下の場合ですとゴムの部分を上にして干すことでゴムの劣化を遅らせることができます。

・色落ちや変色することがある

 コットン(綿)は、染まりやすいという特徴がありますが、その半面、洗濯での色落ちや変色に気をつけなければなりません。特に濃い色のものは染料を多く使用しているため、洗濯中に他の衣類に色移りしてしまう可能性があります。

洗濯するときには、色物と分けて洗濯したり、洗濯ネットを使用したりするようにしましょう。また、洗濯物をぬれた状態のまま長時間放置せずに、すぐ干すことで衣類同士が接触して起きる色移りを防げます。

 コットン(綿)と人類の結びつきは古く、もっとも古い物はアメリカ大陸で見つかった紀元前5,500年のものと言われてており、わかっているだけでも7,000年以上の歴史があります。

化学繊維が発達した現代においても衣類や医療現場など日常生活には欠かせない素材であり、一年中快適にストレスなく身につけられる天然素材です。

 コーマオンラインショップでは肌に優しい無撚糸コットンを使用したアイテムもございます。


・無撚糸(むねんし)コットン

綿を紡ぐ際、そのままでは非常に細く、ばらばらになって扱いにくいので綿糸の束に撚り(より)をかけます。この工程を経ることで初めて一本の糸として使えるようになります。この撚りをかけた糸のことを撚糸と言い、無撚糸とは、糸をほとんど撚らずに作られた糸のことです。撚りが強い糸の場合、糸の強度が上がり長持ちしやすくなりますが、肌触りが硬くゴワゴワしてしまいます。一方、無撚糸コットンは糸をほとんど撚っていないため、綿本来のふっくらやわらかな風合いと、繊維と繊維の間に空気を含むので吸水性と保温性が高いのが特徴です。

この機会に改めてお気に入りのアイテムを見つけてみるのもオススメです。

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