丸編みと横編みの違い

 

 織物や不織布など生地にも種類がありますが、一般的な靴下は編物(ニット)です。
今回は、靴下の編み方について簡単に説明したいと思います。

一般的な靴下と呼ばれるものは、筒状に編まれているものが多く、靴下の多くが丸編機によって編まれています。




丸編み機で編まれたソックス (多彩な柄表現が得意)
 

丸編みは、ぐるぐると円を描くようにらせん状に編まれ筒状の編み地が形成されます。

また、編機の周囲に配置した複数の糸道により、様々な種類の糸を同時に編んだり切り替えたりする事ことで柄や機能を表現することができます。


丸編み機
 
 

 一方、丸編みとの比較でわかりやすいのが横編みです。

横編みは丸編みと違い、前後2枚の針床(ニードルベッド)があり、その間を“左右(横)”に糸(キャリッジ)を往復させ、その糸を前後の針でひっかけることによりループを作り、編地を作っていきます。それを何回(コース)も往復し重ねて編み続けることによって生地が出来上がります。


横編み機
 

 丸編みと横編みの違いは編める編組織の複雑さや生産量にあります。

丸編みは、横編みに比べて編み効率が良く、様々な糸を使用した柄の表現やパイル生地を簡単に編むことができることが特徴ですが、横編みの特徴としては指部など部分的にパーツを編むことや立体柄などの複雑な編み方を行うことができます。


横編み機で編まれたソックス (5本指など部分編みが得意)



例えば、横編みでは5本指など指のパーツをそれぞれ編みながら形作ることができます。

丸編みでも指のパーツを編むこと自体は可能ですが、編み位置や幅の調整ができないなど、デメリットが出てきてしまいます。

 

目的に応じた靴下機能をデザインし、それを実現するのに最適な編機を選ぶことで
皆様により良い商品をお届けできるよう商品開発を行っております。

(2025年 7月更新)